手持ちカメラ
帝国ホテル Hotel Imperial (1927) モーリッツ・スティルレル監督
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『帝国ホテル(Hotel Imperial, 1927)』 |
先日のUNKNOWN HOLLYWOOD第6回のトーク内で「動くカメラ」についてお話をしましたが、そのいくつかについて、実際の撮影の様子を紹介します。
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『つばさ(Wings, 1927)』ウィリアム・A・ウェルマン監督 トラッキングショット |
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「スナイパー(1952)」 |
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逮捕されたハワード・ウンルー(中央) 警官たちの表情と犯罪者の表情の対比 |
彼の日記は、奇怪としか言いようがないー戦争中に射殺したドイツ兵について一人一人、いつ、どこで、どのような状況で撃ったか、そしてその兵士の死んでいくときの顔の表情を、克明に記録しているのだ。
-Bad Blood, An Illustrated Guide to Psycho Cinema, Christian Fuchs, 1996
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「スナイパー(1952)」UNKNOWN HOLLYWOODオリジナル予告編 |
マヤ・デレンの「午後の網目(Meshes of the afternoon, 1943)」を知っている人も多いだろう。共同監督として名が挙がっているアレキサンダー・ハミッドは「マヤ・デレンの夫」としてまず紹介される。しかし、彼自身も、その生涯にわたって新しい映像技術に挑戦し続けた映像作家である。その彼の処女作が「あてなき彷徨(Bezucelná procházka, 1930)」である。この作品はチェコスロバキアの実験映画の始まりと言われている。
【参考】
“Small-Gauge Storytelling: Discovering the Amateur Fiction Film, Ryan Shand”、Ian Craven (2013)
Close Up、1929年 10月号
英国の映画雑誌「Close-Up」の1932年9月号に掲載されていたスチール写真に眼を惹かれた。
ドキュメンタリー映画「ヒデンゼー(Hiddensee, 1932)」からのもの。監督はハンス・カスパリウス(Hans Casparius)。ヒデンゼーはバルト海の孤島だ。そこを舞台としたドキュメンタリーだと思われる。思われる、というのも、この映画についての情報がほとんど見つかっていないからだ。
ハンス・カスパリウスの映画界における活動は、G.W.パブストの「三文オペラ(1931)」などにスチール写真家として参加していること、戦後「サイモン(Simon, 1954)」という短編映画をイギリスで製作したことくらいがIMDBに掲載されている程度である。この「ヒデンゼー」というドキュメンタリー映画についてはリストされていない。
カスパリウスは、写真家として1920年代からナチス台頭前のベルリン、そしてその後ロンドンで活躍しているようである。ジグスモンド・フロイトの肖像写真のひとつも彼のクレジットになっている。
彼のベルリン時代の写真は、街の何気ない風景をスナップした作品だ。対象を瞬時にとらえたようなものが多い。けれども、陽光に満ちた白とそれが落とす影とがしっかりと刻まれ、そのコントラストが魅力的だ。
ちなみに、短編映画「サイモン」はショーン・コネリーが映画出演した二作目らしい。また、カスパリウスが監督・製作した、スコットランドを舞台にしたドキュメンタリー映画「You Take the High Road (1950s)」は、ここで見ることができる。