曖昧な、曖昧な、フィルム・ノワール  [4]

《フィルム・ノワール》という言葉の語源がフランスにあるという点が長いあいだ注目されていたのは、1946年から20年以上のあいだ、当のアメリカ人たちが《フィルム・ノワール》なるものを全く認知していなかった、という文化のあや(・・)のようなものを象徴しているからだろう。特にハリウッド映画という、本国では…
2022年12月25日 Hollywood Cinema

曖昧な、曖昧な、フィルム・ノワール [3]

1970年代以降、フィルム・ノワールは実存主義、ジャンル論、フェミニズム、クィア理論など多様な視点から語られるようになった。本稿はボードウェルらの議論を軸に、その批評史をたどりながら、「フィルム・ノワールとは何か」という問いがいかに変化してきたかを考察する。
2022年12月18日 Hollywood Cinema

曖昧な、曖昧な、フィルム・ノワール [2]

「フィルム・ノワールとは何か?」の第二回目。ここからは《フィルム・ノワール》についての重要な映画批評について、1970年代までの流れを俯瞰したい。
2022年12月11日 Hollywood Cinema

曖昧な、曖昧な、フィルム・ノワール [1]

「フィルム・ノワールとは何か?」という問いほど、映画批評で答えの定まらないものはない。本稿では、ボードウェルをはじめとする主要な批評を読み直しながら、《フィルム・ノワール》と《ノワール》という言葉がどのように使われ、どのように意味を変えてきたのかを振り返る。ジャンルなのか、スタイルなのか、それとも批…
2022年12月4日 Hollywood Cinema

忘れられたフェミニスト映画批評家

1940年代ハリウッド映画を横断的に読み解き、その時代の人々が抱いた「夢」のかたちを探ろうとした映画批評家バーバラ・デミング。平和運動家・フェミニストとして知られる彼女は、同時代の映画を膨大に分析し、後年のジャンル論や作家論とは異なる独自の視点を切り開いた。長く忘れられてきた著作『Running A…
2022年10月22日 Hollywood Cinema

琥珀色の暴力

『ジョーカー』(2019)の色彩設計を手がかりに、都市の夜を染めたナトリウムランプの歴史と文化的意味をたどってみる。犯罪抑止のために導入されたオレンジ色の街灯が、なぜ都市の暴力の象徴となったのか。シネマトグラフィの変遷、アメリカの都市の治安と経済、そして視覚の科学を横断しながら、映像のなかで街路照明…
2022年9月7日 Hollywood Cinema

フィルム・ノイズとブラスティング

映画のサウンドトラックを聞きながら考えたこと。「映画は映画館で観ないと意味がない」「スマホで見ても映画は映画」といった議論の前に、自分はどんな前提で映画を観ているのかを知ることの重要さと困難さについて。
2022年8月8日 Hollywood Cinema

ニュー・オーダー『ビザール・ラブ・トライアングル』

1986年発表のニュー・オーダー「Bizarre Love Triangle」のミュージックビデオは、なぜ今見ても異様なまでに現代的なのか。ここでは1980年代ニューヨークのアートシーンを軸に、このMVを見直していく。極端なラピッド・カッティング、CG黎明期の映像実験、そしてテレビからインターネット…
2022年7月9日 Music

赤外線フィルムの時代

第二次世界大戦を期に発展した赤外線写真を手がかりに、「見えるもの」と「見えないもの」の境界を探る。報道写真や映画、芸術作品を横断しながら、技術が人間の知覚や現実認識をどう変え、時に錯覚を生み出してきたのかを考察する。
2022年6月26日 Hollywood Cinema

エドワード・ホッパーと戦争

エドワード・ホッパー(1882 - 1967)の「ナイトホークス Nighthawks」は、彼の数ある作品のなかでも最も有名な作品だろう。蛍光灯に煌々と照らされた店内。寂しいような、落ち着くような、不思議な場所。しかし、この風景は、作品が製作されたとき、存在してはいけない風景だったというのはあまり知…
2022年6月15日 Hollywood Cinema