タグ: FILM TECHNOLOGY
今では何でもないような色の操作が、かつては非常に困難を極めた。そしてそれは思いもよらない結果を生むことにもなった。
マックス・スタイナーについてのノート (Part I)
『オズの魔法使』とウラン
1930年代のハリウッドで一時的に流行したセピア調色。どのようにして登場し、なぜ廃れたのかについて。
曖昧な、曖昧な、フィルム・ノワール [6]
最後に取り上げるのは、《フィルム・ノワール》が登場してくる背景についての議論である。とくにここでは技術的背景について述べたい。 続きを読む 曖昧な、曖昧な、フィルム・ノワール [6]
フィルム・ノイズとブラスティング
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『市民ケーン(Citizen Kane, 1941)』 左側に見えているのは音声トラック。 Duplex Varaiable Area Recordingが採用されているのがわかる[1]。 |
赤外線フィルムの時代
第二次世界大戦前後の映像技術や工学をながめていると、この頃から、《見えるもの》と《見えないもの》の境界を曖昧にするテクノロジーが徐々に社会に浸透し始めている様子が見えてくる。可視の外側の現象が、平然と可視の領域に滑り込んで、ヒトは自らの知覚が広がったかのような錯覚に囚われ始める。この錯覚は時としてとても危険なものになりうるのだが、視覚に不自由を感じないヒトはすべての感覚のなかで視覚を無防備に無批判に信望していて、その危なかっしさを見逃しがちである。
『市民ケーン』と空間の音響 (Part IV)
『市民ケーン』と空間の音響 (Part III)
『市民ケーン』と空間の音響 (Part II)
Part Iはこちら
『市民ケーン』と空間の音響 (Part I)
| RCA設計のエコーチェンバー(Reverberation Chamber) |
前回、「市民ケーンとマッカーサー」という記事で、『市民ケーン』の革新性について言われていることのうち、コートレンズの革新性について考えてみた。当時のアメリカの光学技術をめぐる状況を見渡してみると、見えてきたのは軍事研究の重要な一分野だったレンズコーティング技術が、スピンオフしてハリウッドに恩恵をもたらしていったという事実だった。そしてハリウッドのメジャースタジオの撮影部門は、おしなべてコーティングレンズの開発に積極的であり、『市民ケーン』の撮影監督グレッグ・トーランドもそのなかの一人だったということだ。
今回も『市民ケーン』の革新性について、分析してみたい。今回取り上げるのは《音》である。その中でも《音と空間》のテクニックについて考えてみたい。